秋田市立赤れんが郷土館レビュー

2020年2-3月 春の日本海側の東北を巡る旅

2020.3.1

<目次>

  1. 赤れんが郷土館の基本情報―位置,料金等
  2. 赤れんが郷土館の沿革
  3. 旧秋田銀行本店の詳細
  4. 赤れんが郷土館に併設されているもの
  • 赤れんが郷土館の基本情報―位置,料金等

赤れんが郷土館(秋田市公式HP)  https://www.city.akita.lg.jp/kanko/kanrenshisetsu/1003617/index.html

 赤れんが郷土館のレビューをしたいと思います。秋田駅の周辺を訪れた際に,秋田県立美術館と秋田市立れんが郷土館を主に訪れました。秋田県立美術館のレビューについては,別ページで詳細について述べたうえ,秋田駅周辺の観光についてもまた別記事にしてありますので,よろしければ,そちらもご覧ください。

 秋田市立赤れんが郷土館になぜ行こうかと思ったかというと,単純に「赤れんが」という単語に惹かれたわけですが,函館といい,横浜といい,赤れんがという単語を使うだけで,観光名所になることがあるわけですが,日本人の美的センスと赤れんが建造物というものと合致するということなのでしょうか。

 赤レンガ郷土館は,秋田県立美術館から徒歩10分程度の場所にあります。近くには,秋田市民民俗芸能伝承館(ねぶり流し館)もあり,竿燈を始めとする秋田民俗芸能を紹介する建物もあります。

秋田市民民俗芸能伝承館(秋田市公式HP) https://www.city.akita.lg.jp/kanko/kanrenshisetsu/1003644/index.html

 入場料は210円ですが,これに50円足しますと,共通観覧料を購入することができます。共通観覧料を払いますと,秋田市民俗芸能伝承館と旧金子家住宅も見ることができます。おそらく,こちらを購入したほうがお得かと思います。ちなみに,この210円と260円の2つの料金は,一般料金であり,高校生以下は無料となっております。これは,かなりお得であろうと思います。個人的には,大学生料金があるとよりよいのですが。しかし,一般料金が200円台というのはかなり安価ですから,これでも十分に感謝,満足しなければいけないでしょう。

 ここから先,赤レンガ郷土館の説明は,ここでもらえるパンフレットや解説シートを参考にしながら,説明をしていきます。

  • 赤れんが郷土館の沿革

秋田市立赤れんが郷土館は,元々秋田銀行旧本店として建設されました。特に頭取室や貴賓室は豪華な造りがされています。

<主材料>

・外壁1階部分…白化粧煉瓦

・外壁2階部分…赤化粧煉瓦

・屋根…宮城県産玄昌石

・土台…男鹿石

・営業室の床…イギリス製大理石

・営業室のカウンターと暖炉…福島県産霰石

・頭取室の床…岐阜県産薄雲石,紅縞石

 この建物は,秋田銀行旧本店として使われたのち,日本銀行秋田支店,秋田銀行大町支店,秋田銀行の書類保管に使われたのち,1981年に秋田銀行創業100周年,秋田市制施行90周年を記念して,秋田市に寄贈されました。そして,現在の用途で使われています。

 この建物は,かなり丁寧に造られており,それは外部や建物自体だけではなく,耐震構造に特に力を入れられており,総工費と総建造時間の半分を用いたようです。その結果,男鹿沖地震(昭和14年),日本海中部地震(昭和58年)などでも,ひび一つ入らなかったようです。この建物を建てたのは,外部は山口直昭氏,内部は星野男三郎氏という2名の建築家です。山口氏は工部美術学校彫刻家は卒業後,官僚としての路を一旦は進み,秋田県技師となりました。東宮御所(赤坂離宮)の建築にも携わったようです。星野氏は,東京帝大工科大学建築科を卒業し,日光廟の塗装修理工事も請け負いました。この2人の明治期の建築家が頑張って建築したようです。

  • 旧秋田銀行本店の詳細

・営業室

 入ってすぐの空間です。吹き抜け構造にするために屋根の梁はトラス構造となっているほか,天井や扉,窓辺には装飾が凝らされています。漆喰塗りでした。暖炉もありますが,これは形式的な装飾の意味合いが強かったようです。なぜなら,スチーム暖房が採用されているからです。

 建築の詳細は知らないですが,ホールの雰囲気として,明治期の銀行はこういう構造や雰囲気をしているのかもしれませんが,夏に小樽で見た金融資料館(旧日本銀行小樽支店)と似ているような気がしました。金融資料館のブログhttps://wsbgreenblog.com/2020/02/19/15/46/06/

・頭取室

 頭取室は,営業室の次の部屋です。木材中心の部屋です。大理石(岐阜県産・薄雲石と紅縞石)や装飾カーテンレールが使われていることによって,格式高い内装になっています。暖炉もありました。

・書庫

 頭取室にあります。文字通り,書類を保管していたと思われます。この部屋は,昭和初期に増築された部屋のようです。現在は,伝統工芸品を紹介する展示室になったと思います。

・金庫室

 書庫の近くの隣にあります。鍵は着いていますが,正直やや防犯にはしょぼいような気がしました。ただ,金庫室である以上に,一応は厳重な造りにはなっていました。今は,秋田の街並みや文化等についてのビデオを流すモニターがあります。この建物も昭和初期に増築されたようです。逆にそれまでは,本店はどのようにして現金を保管していました。

・貴賓室

 文字通り,特別なお客様を通した部屋です。館内で最も豪華な装飾が施されています。頭取室も格式高い部屋でしたが,それ以上に格式高い部屋になっていました。2階の一番奥の部屋であったように記憶しています。

・会議室

 2階に上がる階段の近くにある部屋です。会議室として使われていた部屋は,今は秋田市出身の人間国宝で鍛金家・関谷四郎氏の作品や鍛金についての紹介をする関谷四郎記念館になっています。見る限り,会議室にしては小さめであったように思えます。もしかしたら,本店の幹部や秋田銀行全体の幹部のみが参加する会議が行われていたのかもしれません。

  • 赤れんが郷土館に併設されているもの

・関谷四郎記念室

 関谷四郎記念室は,秋田市出身の鍛金家関谷四郎氏の技術や功績,及び鍛金についての展示を行っています。ちなみに,鍛金とは金属を金槌や木槌で打ち延ばして形を整える技法のことです。

 関谷氏は,東京の鍛金家に弟子入りしますが,その後異なった金属を接合させる接ぎ合せの技法を取り入れ,作品を作りました。接ぎ合せというのは,異なった金属を接合させる技法ですが,これはかなり難しいところだといわれています。なぜかといえば,金属の性質が異なるからです。

関谷氏は,この接ぎ合せの技術を会得することによって,「人間国宝」となりました。

人間国宝とは,重要無形文化財保持者のことです。無形文化財とは,歴史上又は芸術上価値の高いもので,工芸技術等の形がないものを言います。この無形文化財の中で,国が指定したものを重要無形文化財といい,その技を体得している人を保持者に認定します。

この技術について,途中経過をこの展示室では示しされているので,実際にどのようなことがなされているのか,具体的にイメージしやすいと思います。

・勝平得之記念館

 勝平氏は,紙漉き業を営む家の長男として生まれました。家業を行いながら,木版画の絵・彫り・摺りを独学で学びました。この3工程を全部を行わない人もいる中で,勝平氏は必ず全ての行程を自分で行うことをモットーとし,独自の色摺り版画を生み出しました。テーマとしては,秋田の自然や風俗を描きました。これらによって,昭和6年の帝選入選をきっかけとして,国内外で高く評価されている。

・特別展示室

 特別展示を行っている部屋です。私が観覧した時は,秋田県立美術大学の学生のキャドを用いたデザインの展示会を行っていました。美術がキャドを使って美術といえるのか,という疑問を個人的には持ちましたが,デザインとしてはたいてい素晴らしく,比べるのもおこがましいですが,中学校で美術2の私には到底思いつかないようなデザインであったことは間違いありません。

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