オードリー若林氏のInstagramに見る現代文の本質

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オードリー若林氏のInstagramアカウント https://www.instagram.com/masayasuwakabayashi/?hl=ja

これについての記事 https://www.j-cast.com/2020/03/18382516.html https://news.livedoor.com/article/detail/17983703/

 オードリー若林正恭氏が自身の著書『ナナメの夕暮れ』が成蹊大学経営学部の入試問題に採用されていたことを報告し,自身でもわからない問題があったと報告しました。

※私は実際の入試問題は見ておりません。この事情はあくまで抽象化したものの1つにすぎません。

※今回の問題は,実際には現代文ではなかったようです。また,実際の問題の性質が現代文の問題と似ているものかどうかはわかりません。

 以前にもとある現代文の題材にされた筆者又は作者がその問題を解き,わからないという問題があったり,彼らが気にも留めなかった部分が問題として出題されたりというエピソードがあり,これらは時々世間を賑わせます。そして,一部の人々はこれを盛んに取り上げ,現代文という科目の意義を問うたり,批判したりします。しかし,これらは根本的に的を射ていない批判であるといえます。

  1. まず,そもそも筆者の意図を問うた設問が存在するのか。

私の経験が乏しく,偏っているのだ,といわれれば,その通りかもしれませんが,私が大学受験を行った際の記憶から言って,そのような設問はないです。

現代文の設問は,

評論の場合…「~とはどういうことか」,「~とはなぜか。」

小説の場合…「~の時の○○の心情を答えよ。」

等が主なものであり,随筆に分類されるものやこれ以外の設問に関しては,いったんおいて考えましょう。

今挙げた設問は,本文の内容や登場人物の心情を答えるものであり,書き手の意図を答えるものではないといえます。

次に,これらの設問に対し,そうはいってもその文章を書いたのは書き手であり,その文章には書き手の意図が当然に含まれているという解釈をする人(実際そのような解釈が的を射ていないわけではないと思いますが),或いはこれ以外に筆者の意図を問うた設問を見たことがある人の中で,現代文の意義を問うたり,批判したりする人は,私が思うに現代文の根本,本質と言い換えてもいいかもしれませんが,これを勘違いしているのではないかと思うのです。

2.現代文の本質・意義とは。

現代文の本質,意義とは,つまり「アカデミックの世界での『一般的』な文章の読み方が実践できているかを図ること」です。換言すれば,こういう文脈でこう聞かれたら,こう文章を理解し,解釈するのが妥当だという読み方が,受験生ができるかどうかを問うことです。

この「一般的」とは何なのか,というのが一番の問題で,この範囲の微妙になり,現代文のプロがこれを必ずしも理解しているとは言えないのですが,それよりも問題なのは,

ここでいう「一般的」が必ずしも世の中の「一般的」とは一致しない

ということです。

これは,本来一致すべきなのですが,どうやら一致しないことが多いようなのです。これは,新井紀子(2018)によって指摘された通り,論理的には誤っていると思われる解釈が世の中でまかり通っている現実があります。

とすれば,作者と他の人々とで解釈が違うことも当然あります。

また,必ずしもそうではなかったとしても,作者が意図した意味とは異なる形で読み手が解釈したり,作者の予定した解釈と読み手の解釈が一致していたとしても,作者の手違いによって,結果的に違う解釈をすべき文章が完成したり場合もあります。

それ以外にも,書き手の読み方が変わっている可能性もあります。つまり,予定した意図通りの文章は書けるのであるが,文章を読む時はその通りに読まないという可能性です。

他の可能性として,書かれてから時間が経っている作品に関しては,その時代により解釈や理解のスタンダードが異なった結果,作者の解釈と「一般的」,「客観的」なそれとの間に乖離が生まれるということもありえます。

ともかく,現実の問題として書き手の意図と本文の解釈が須らく一致しないということであり,この場合どちらの解釈が受験現代文で採るべきかといえば,本文の「一般的」,「客観的」解釈であり,このような場合に,作者が自身の文章にも拘わらず,正解できないという事態が発生するのです。

このように考えれば,作者と大学受験現代文の正解が合わないからといって,現代文の意義が否定されるということはないということです。

<参考資料>

新井紀子(2018)『AIvs.教科書が読めない子どもたち』東洋経済新報社 https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784492762394

国語・現代文についての記事  https://wsbgreenblog.com/category/%e5%8b%89%e5%bc%b7/%e5%a4%a7%e5%ad%a6%e5%8f%97%e9%a8%93/%e5%9b%bd%e8%aa%9e/

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